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あぶく

a)
「日本は法治国家でありますから」と辺野古での県民の意思表明を無視している国家の手先が言う。都合のいいときだけ「法治国家」か。国家って「誰」のことだろう? 国家から、国民があからさまに締め出しを食い始めている。国民が、国家に、「わたしたちの国は法治国家なのだぞ」と訴えている問題に目を背けて、国家が、国民に、「おまえたちは、おれの法治国家の国民なんだから、おれの言うことをきけ」と臆面もなく言い始めた。彼らが使う「粛々と」という言葉が、子供の頃に耳にして、不吉な響きだなぁと思った「粛清」という言葉と同じ匂いを持って、野に放たれ始めている。放恣に創作される手前勝手な正義は、苦渋の選択の末の良識的抵抗よりも、陰惨な一面を持つ。人間的度量なき正義は、殺戮しか生まない。

b)
剣呑、不穏な動きが、あちこちで散見される。心あるメディアは、市井で起きている目立たない砂つぶのような「不穏さ」を執拗に調査して、その「小さな不穏さ」について、大きく紙面を割いて、毎日載せてほしい。「大きな不穏さ」は、権力側もどう言い逃れるかあらかじめ考えた上で起こしている。だから、弱いものがここは法治国家だと訴えても、そのテーマの大きさをうまく逆手にとって、「そうだ、ここは法治国家だ」と、開き直られる。だから、むしろ、彼らがいちいち逆手にとってしつこく言い訳することができないくらい小さな不穏事例を倦む事なく紹介し続けてほしい。極小の不穏さを、大きく報じ、そして報じ続ける。庶民にしか語れない現場の言葉、政治家の詐術に邪魔されない言葉、逆手にとられない言葉で、小さなあぶくを吐き続けることはできるだろうか。誰か邪なひとが、その小さなあぶくを握り潰そうとすると、さらにもっと小さな千のあぶくになってあちこちに舞い上がってしまうような、ひどく鬱陶しいあぶく。
by kokoro-usasan | 2015-03-25 07:00 | 日々 | Comments(0)


閉じられていないもの


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