こしかたゆくすえの泡のようなもの
a)
以前携わっていた仕事を通してぼんやり考えていたことを、今の自分の言葉で翻訳すると、それはこんな感じ。
個人的な問題が発生した場合、「訴えるひと」と「訴えないひと」がいて、トピック的には「訴えるひと」が現状を変えてゆく勇気ある人ということになるのだけれど、丹念に観察していく中で、より興味深く思うのは、「訴えないひと」たちの肝の座り方だったりする。訴える人は、その訴えにおいてシンプルな論理性を無理やりにでもあつらえなければならないが、「訴えないひと」の内面は、訴えないことによってある種、極悪の自由を得ているともいえる。理によって裁かれることは、裏面、不自由なことでもあるからだ。どちらがどうという判断ではなく、この両者の存在は、とてもシニカルで文学的な興味を引く。
b)
例えば、誰かを訴追するということは、その誰かへの抜き差しならない「依存」を露呈することに他ならない。それは具体的な事象への糾弾であるかもしれないが、そうした瑕疵が生じる以前に、深い心理的依存が発生していた場合ほど、訴追の激しさは増す。非常に判りやすいプロットかもしれない。周囲の人間の対応において、その心理に寄り添うか、訴追の是非に向き合うかは、個人の人生経験や資質で異なってくる。
c)
それはそうと、最近ふと感じたのは、「訴えず」に巧妙に根回しして思い通りの利を自分に誘導する人間も世の中には存在するということでこれは、「すっきり爽やか」な話なのか、えげつない痴話喧嘩以上に「どろどろ」した話なのか、今ちょっと判断がつきかねている。ひとつ確かなのは、そういうひとたちは、良くも悪くも「賢い」ということだ。何かに、依存したいとき、ベタで心理的に依存するのではなく、依存するための手数を惜しまずに踏んでいるということでもある。これは、実は非常に胆力を要することなのだ。公正に考えて、悪いことではない。悪いことではないが、こういう人物の陰には、「よくわからないんだけど何故か不遇な役回り」という人が必ず居るもので、関係性というものは、一筋縄ではいかないことを痛感させられる。どの立場の人間が、なにを「訴え」なにを「訴えない」かという問題は、ことほどさように怖い話だ。
d)
騙されて、依存し、依存(或いは共依存)を深め、後戻りできず、身をすり切らし、いわゆる「どろどろ」になってゆくことは、なにかむしろ人間のありかたとして、シンプルというか、無邪気なのではないかと感じなくはない。
邪悪なものを飼いならせる悪人性というものもあり、(自分が邪悪になるのではなく、それを飼いならすある種の邪悪さ)実に不条理なことに、そういうものは恵まれた育ちをしたものほど自然に身につけていたりする。垣間見れば、ときどき、言葉を失う、そういう世界。
e)
ところで、有権者一人あたま630円払って行われることになるらしいこのたびの選挙、この630円を無駄にしないようにとの声になるほどと思いつつ、一票の格差が最大4.77倍だというのだから、一律630円ではないということになる。そもそも、これを問題と思わない政治の、その民主主義とは如何。
f)
久しぶりにくっきりと輝く月を見た。駐輪場に置いておいた自転車のサドルに夜露が降りている。静かな夜だ。
以前携わっていた仕事を通してぼんやり考えていたことを、今の自分の言葉で翻訳すると、それはこんな感じ。
個人的な問題が発生した場合、「訴えるひと」と「訴えないひと」がいて、トピック的には「訴えるひと」が現状を変えてゆく勇気ある人ということになるのだけれど、丹念に観察していく中で、より興味深く思うのは、「訴えないひと」たちの肝の座り方だったりする。訴える人は、その訴えにおいてシンプルな論理性を無理やりにでもあつらえなければならないが、「訴えないひと」の内面は、訴えないことによってある種、極悪の自由を得ているともいえる。理によって裁かれることは、裏面、不自由なことでもあるからだ。どちらがどうという判断ではなく、この両者の存在は、とてもシニカルで文学的な興味を引く。
b)
例えば、誰かを訴追するということは、その誰かへの抜き差しならない「依存」を露呈することに他ならない。それは具体的な事象への糾弾であるかもしれないが、そうした瑕疵が生じる以前に、深い心理的依存が発生していた場合ほど、訴追の激しさは増す。非常に判りやすいプロットかもしれない。周囲の人間の対応において、その心理に寄り添うか、訴追の是非に向き合うかは、個人の人生経験や資質で異なってくる。
c)
それはそうと、最近ふと感じたのは、「訴えず」に巧妙に根回しして思い通りの利を自分に誘導する人間も世の中には存在するということでこれは、「すっきり爽やか」な話なのか、えげつない痴話喧嘩以上に「どろどろ」した話なのか、今ちょっと判断がつきかねている。ひとつ確かなのは、そういうひとたちは、良くも悪くも「賢い」ということだ。何かに、依存したいとき、ベタで心理的に依存するのではなく、依存するための手数を惜しまずに踏んでいるということでもある。これは、実は非常に胆力を要することなのだ。公正に考えて、悪いことではない。悪いことではないが、こういう人物の陰には、「よくわからないんだけど何故か不遇な役回り」という人が必ず居るもので、関係性というものは、一筋縄ではいかないことを痛感させられる。どの立場の人間が、なにを「訴え」なにを「訴えない」かという問題は、ことほどさように怖い話だ。
d)
騙されて、依存し、依存(或いは共依存)を深め、後戻りできず、身をすり切らし、いわゆる「どろどろ」になってゆくことは、なにかむしろ人間のありかたとして、シンプルというか、無邪気なのではないかと感じなくはない。
邪悪なものを飼いならせる悪人性というものもあり、(自分が邪悪になるのではなく、それを飼いならすある種の邪悪さ)実に不条理なことに、そういうものは恵まれた育ちをしたものほど自然に身につけていたりする。垣間見れば、ときどき、言葉を失う、そういう世界。
e)
ところで、有権者一人あたま630円払って行われることになるらしいこのたびの選挙、この630円を無駄にしないようにとの声になるほどと思いつつ、一票の格差が最大4.77倍だというのだから、一律630円ではないということになる。そもそも、これを問題と思わない政治の、その民主主義とは如何。
f)
久しぶりにくっきりと輝く月を見た。駐輪場に置いておいた自転車のサドルに夜露が降りている。静かな夜だ。
by kokoro-usasan
| 2014-11-30 00:11
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