ここしばらくのこと。
a)
まるで、おみくじを引くように、このブログを開け、ログインできるか試し、不具合の日は素直にそのまま閉じ、ログインできた日は、さて、どうしよう、なにを書こうかと思う。
b)
先月末、青山で開かれた山福さんの個展に足を運び、その足で原宿のクレヨンハウスに行った。花山かずみさんの「ひみつのかんかん」という絵本を買う。珈琲を飲んだあと、そのレジの傍にあった書棚にソンタグの「同じ時のなかで」という最後のエッセイ集を見つけ、それも買った。少し前に珈琲の勘定をしたばかりのレジで、ソンタグの厚い本を購入するという感覚は、ちょっと不思議だが、だが、なかなかいいものに思えた。ソンタグは小説が書きたかったのだが、現実の世界で起こる様々な出来事に物申さずにはいられず、結局、小説はほとんど書きそびれたまま逝った。クリティカルであるということは、制御できないものであるのかもしれず、そのやむにやまれぬものの出ずる由縁を想い、ある世界ではそれは歓迎されるが、ある世界では、まったく唾棄すべき要注意人物となることを考える。このようにして、世界はある、ということか。
c)
先日亡くなった経済学者の宇沢弘文さんが、かつてノーベル経済学賞にもっとも近い日本人と目されながら、在職していたシカゴ大学を去った理由(ベトナム戦争に徴兵するために学生に成績をつけるという命令を拒否)や、大学を去るだけでなく長年親しくしてきたシカゴ学派とも縁を切った理由(チリのアジェンデ大統領が、軍事独裁政権を目論むピノチェトによって殺害されたとき、シカゴ学派の人間たちが拍手喝采したことへの抗議)などを新聞で読む。(10月15日毎日夕刊) 掲載されているジョギング中の写真を見て、なんだか既視感があったのは何故だろう。
このところ、ほとんど新聞に目を通していない。通す気にならない。首相はクロダという人を買っているようだが、もはや、目も当てられない状況になりつつあるように思える。
d)
知的身障者の作業所で描かれたというとてもセンスのあるイラストを見かけて、ずっとその作者のことが気になっていたのだが、先日、お会いすることができた。付き添いのかたが、彼に、「このかたが、君の絵をほめてくれたよ、ありがとうって言おうね」と声をかける。「お!」と言って、その子がちょこんと首を振る。それ以上は、会話にならない。どうやってあのイラスト(ある生きもの)ができあがったのですかと尋ねると、付き添いのかたが、「(その生きものの絵を)たまたま描いてごらんと言ったら、ささっと描いてくれたんです」と教えてくださった。「また描いてくれるかしら」とちょっと欲を出して聞いたら、「いや、同じような絵は2回は描いてくれません」と言われてしまった。もちろん、知的障害者でなくても、同じ絵など描けないし、描きたくないかもしれないのだが、そのイラストが、なにかとてもシンボリックな味わいを持っていたせいで、わたしは、どこか広告業界のような気持ちで、次回作を期待してしまっていたのだろう。「2回は描いてくれません」と言われたとき、自分のすれた心根に軽いショックを受けるとともに、あたりまえのように何度も推敲することが自分に許されているのなら、それを存分に使ってみなければいけないのかもしれないと思った。
e)
少し遅くなってしまったが、明日は、チューリップの球根を植える予定。庭時間は心休まる。
まるで、おみくじを引くように、このブログを開け、ログインできるか試し、不具合の日は素直にそのまま閉じ、ログインできた日は、さて、どうしよう、なにを書こうかと思う。
b)
先月末、青山で開かれた山福さんの個展に足を運び、その足で原宿のクレヨンハウスに行った。花山かずみさんの「ひみつのかんかん」という絵本を買う。珈琲を飲んだあと、そのレジの傍にあった書棚にソンタグの「同じ時のなかで」という最後のエッセイ集を見つけ、それも買った。少し前に珈琲の勘定をしたばかりのレジで、ソンタグの厚い本を購入するという感覚は、ちょっと不思議だが、だが、なかなかいいものに思えた。ソンタグは小説が書きたかったのだが、現実の世界で起こる様々な出来事に物申さずにはいられず、結局、小説はほとんど書きそびれたまま逝った。クリティカルであるということは、制御できないものであるのかもしれず、そのやむにやまれぬものの出ずる由縁を想い、ある世界ではそれは歓迎されるが、ある世界では、まったく唾棄すべき要注意人物となることを考える。このようにして、世界はある、ということか。
c)
先日亡くなった経済学者の宇沢弘文さんが、かつてノーベル経済学賞にもっとも近い日本人と目されながら、在職していたシカゴ大学を去った理由(ベトナム戦争に徴兵するために学生に成績をつけるという命令を拒否)や、大学を去るだけでなく長年親しくしてきたシカゴ学派とも縁を切った理由(チリのアジェンデ大統領が、軍事独裁政権を目論むピノチェトによって殺害されたとき、シカゴ学派の人間たちが拍手喝采したことへの抗議)などを新聞で読む。(10月15日毎日夕刊) 掲載されているジョギング中の写真を見て、なんだか既視感があったのは何故だろう。
このところ、ほとんど新聞に目を通していない。通す気にならない。首相はクロダという人を買っているようだが、もはや、目も当てられない状況になりつつあるように思える。
d)
知的身障者の作業所で描かれたというとてもセンスのあるイラストを見かけて、ずっとその作者のことが気になっていたのだが、先日、お会いすることができた。付き添いのかたが、彼に、「このかたが、君の絵をほめてくれたよ、ありがとうって言おうね」と声をかける。「お!」と言って、その子がちょこんと首を振る。それ以上は、会話にならない。どうやってあのイラスト(ある生きもの)ができあがったのですかと尋ねると、付き添いのかたが、「(その生きものの絵を)たまたま描いてごらんと言ったら、ささっと描いてくれたんです」と教えてくださった。「また描いてくれるかしら」とちょっと欲を出して聞いたら、「いや、同じような絵は2回は描いてくれません」と言われてしまった。もちろん、知的障害者でなくても、同じ絵など描けないし、描きたくないかもしれないのだが、そのイラストが、なにかとてもシンボリックな味わいを持っていたせいで、わたしは、どこか広告業界のような気持ちで、次回作を期待してしまっていたのだろう。「2回は描いてくれません」と言われたとき、自分のすれた心根に軽いショックを受けるとともに、あたりまえのように何度も推敲することが自分に許されているのなら、それを存分に使ってみなければいけないのかもしれないと思った。
e)
少し遅くなってしまったが、明日は、チューリップの球根を植える予定。庭時間は心休まる。
by kokoro-usasan
| 2014-11-06 12:15
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by kokoro-usasan
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