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雑木林とサリンジャー

小学校の5年生のとき理由も告げられず受けに行かされた学力テストで、「雑木林」の読みを書けとありました。わたしは、みごとに、「ざつもくりん」と書いて出し、あとでもらった解答を見て、11歳は11歳なりの深い自己嫌悪にかられました。「すべてをはずした」というショックです。自分は、バカだったのだ、と思いました。せめて「普通」かと思っていたのに。テストの成績がどうだったのかは思い出せないのですが、「ぞうきばやし」を「ざつもくりん」と間違えたショックは、いまだに続いています。どういうふうに続いているかというと、世界は「ぞうきばやし」なのに、自分だけ「ざつもくりん」に見えてしまっているのではないかという恐怖です。こういうわたしの感覚をのちにわたしは、サリンジャーという小説家の書くお話のなかに認めました。そして、この小説家が、筆を折ってしまった理由もなんとなく判るような気がしました。
by kokoro-usasan | 2012-05-14 23:48 | ことば | Comments(1)
Commented by めざ at 2012-05-16 16:21 x
ある時期から、たぶん日付の概念が芽生えたころからだと思うけれども、私は自分が把握している日付が他の人と1日遅れていると思い、こっそりといや~な汗をかいているときがあります。
別に日付を間違えた行動をしたとか、そういう記憶はないのですが(夏休みの宿題が間に合わないとかはあったけれども)、学校に行ってみたら始業式ではなく通常の授業が始まっているんじゃないか・・・というのが、毎学期初めの小さな恐怖感でした。
大人になってからは、そういう大きな節目が少なくなったせいかあまり感じなかったけれども、自分の結婚式の日付が違っているんじゃないかと数日前からおののいておりました。結婚式は無事に終了しましたが、昔同僚だった人に受付を頼んでいたら、その子が見事に日付を10日間間違えていて、当日すっぽかしてくれて・・・私の恐怖感はそういう形で具現化されてしまいました。
漢字の読みは未だに分からないものもあって、特に俳句なんかは独特の言いまわしをするものをしらなくて、溶岩のことを「ラバ」(本来はイタリア語)と読ませるのに、手書きのそれを「うば」を読みあげて教室の人たちを固まらせたこともあります。ま、人生いろいろ。


閉じられていないもの


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