本棚の隠れた場所に。
年老いた養父母の為、一人暮らしを一旦引き上げて実家に戻ってからもう数年経つけれど、その間に、父は他界し、今は母とふたり。実家に戻って面白かったのは、「時間が止まっている」場所がいくつかあったことで、たとえば、左の写真は、実家の本棚の側面にこっそり画鋲でとめられていた絵葉書だ。30年近く前のものだろう。
誰の目にも留まらないような、そんな場所に、少女だった頃のわたしは、何を思って貼り付けたのだろう。こんな喩えはちょっとどうかと思うけれど、子供の頃、友達の家に遊びにいくと、おませだったその子は、洋服ダンスの扉を開けて、その裏側に貼り付けてある女性のヌード写真のピンナップを見せてくれた。「これ、パパのお気に入りの写真なんだって」と。「ママには内緒」。そんなことがあるだろうか。こんな判りやすい場所に貼って、ママに内緒の訳がないけれど、まぁ、ひとの家の内情を詮索するのも面倒で、ふうんと気のない返事をしたことを思い出す。その割には、ずっと覚えているのだから、やはり、「ママに内緒」の写真は、子供心に、考えさせられるものがあったに違いない。(実のところ、この子の「パパ」は、アホかいな、と、ちょっと思ったのである。ごめんなさい、可愛げのない子で) なんだか、余計な話を書いてしまったよー。
わたしにとって、本棚の脇に留められたこの絵葉書は、正面切ってではない、隠れたお気に入りだったのだろう。実家に戻って、この絵葉書に気づき、おや、と思ったけれど、今もそのまま貼ってある。いい絵だもの。
誰の目にも留まらないような、そんな場所に、少女だった頃のわたしは、何を思って貼り付けたのだろう。こんな喩えはちょっとどうかと思うけれど、子供の頃、友達の家に遊びにいくと、おませだったその子は、洋服ダンスの扉を開けて、その裏側に貼り付けてある女性のヌード写真のピンナップを見せてくれた。「これ、パパのお気に入りの写真なんだって」と。「ママには内緒」。そんなことがあるだろうか。こんな判りやすい場所に貼って、ママに内緒の訳がないけれど、まぁ、ひとの家の内情を詮索するのも面倒で、ふうんと気のない返事をしたことを思い出す。その割には、ずっと覚えているのだから、やはり、「ママに内緒」の写真は、子供心に、考えさせられるものがあったに違いない。(実のところ、この子の「パパ」は、アホかいな、と、ちょっと思ったのである。ごめんなさい、可愛げのない子で) なんだか、余計な話を書いてしまったよー。
わたしにとって、本棚の脇に留められたこの絵葉書は、正面切ってではない、隠れたお気に入りだったのだろう。実家に戻って、この絵葉書に気づき、おや、と思ったけれど、今もそのまま貼ってある。いい絵だもの。
by kokoro-usasan
| 2011-06-07 23:57
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