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翡翠の水

水のこと。
つい先日までは、
空気が澄んで秋めいてきたのを感じても、水道の水は、まだ夏の名残のように
温もっていたのでした。今年は酷暑でしたから、大地は、奥深くまで熱を帯びており、
大気が涼しくなっても、地中まで急に冷えることはないのだなぁと思ったものです。

生温かい水道の水で顔を洗い、お茶碗を洗い、洗濯をし、でも、その温かさが
過ぎてゆこうとしている夏の置き土産のような気がして、ちょっぴり別れが惜しい
ような思いがしたのでした。

でも、そろそろ本当のお別れのようです。朝、蛇口をひねると、ひんやりとした水が
流れ落ちるようになりました。水としては、ちょうど、いいくらいの温度かもしれません。
指先をひっこめたくなるような冷たさでもなく、気持ちよく炊事も進みます。
これが、もう少しすると、空気の涼しさ以上に冴え冴えと冷えてきて、指先に小さな
あかぎれができたりするくらい厳しい寒さの季節がやってくるのでしょう。

ひいていた風邪、あともう少しで治りそうです。今日は、母の介護保険の認定申請
のため、担当医を訪ねました。いつも何時間も待たされる大病院なので、予約時間
+3時間は覚悟して出かけていったら、予約時間どおりに順番が来て、午前10時前
には、用事が済んでしまいました。おかげで、余った時間、母とすこし寄り道。
1億5千万円が当たると信じて宝くじを購入し、「これだけあれば、老後も安心」と
性懲りもない皮算用をする娘に冷めた視線を送る母。

皮算用のせいか、翡翠に似た綺麗な緑色をした揺れるイヤリングを群言堂で見つけ、
娘はにやにや衝動買いもしました。秋ですから、おしゃれもしないとね。

いつか旅をしていたとき、列車の窓から、翡翠がとれるという川沿いの岩壁をずっと
眺めていました。岩肌自体が、なにか白く清楚で、川の水すら、まさに翡翠の色なの
です。あの水の色が、懐かしく思い出される秋の夜です。
by kokoro-usasan | 2010-10-07 22:29 | つぶやき | Comments(0)


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by kokoro-usasan

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