彼岸
一夜明けて。
昨夜は激しい強風が吹き荒れて、木造築40年の家は、闇の中でみしみしと揺れた。
春嵐というのだろうか。硝子窓を突き破って、どこぞの家の屋根でも飛んできたら
どうしようかと思ったが、そのときは、「オダブツ」ということで、と覚悟を決める。
彼岸にオダブツとは・・・。
一夜明けて、小刻みに降っていた雨も上がりかけると、真っ先に我が家の庭で
一声あげたのは、なんと今年初めての鶯だった。
まったく自然というものは、さりげなく予定調和的な演出に満ちている。
というか、もともと調和しているものなのだろう。善悪の彼岸。
さて、出勤。午後は晴れるらしい。濃いグレーの雲がすごい勢いで東へと流れている。
※思いがけない天気の乱調に、いつも乱調気味の自分はかえって昨夜は生真面目に
持ち帰りの仕事など、粛々とこなす。アマゾンから届いていた鈴木常吉のCD(「ぜいご」)
をヘッドフォンで聴きながら、というところは、普段どおりのいい加減さだが。
高田渡と親交があったというこの人のとつとつとした歌声を味わったあと、
なぜか急に「ファンシーゲリラ・ビデオショップ’92」をDVDで観る。
それでなんとなく自分の中のバランスがとれて、やすらかに布団に入る。
強風に家は確かにみしみしと揺れていたが。みしみしと揺れるものなど、
家に限ったことでなく、毎日、みしみしとしてるのだ、人間なんて。
by kokoro-usasan
| 2010-03-21 07:09
| 日々
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閉じられていないもの
by kokoro-usasan
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