これが。
書店で偶然見つけたプリーモ・レーヴィの新刊(改訂版)を電車の中で読み始める。乗車時間が短いので、最後に記載されていた「若者たちへ」という著者自身の短い「序文」にまず目を通すことにした。アウシュヴィッツから生還したこの著者が、1973年、若者にむけて書いた言葉に慄く。
ーそして何よりもファシズムはまだ死に絶えていない。ある国ではより強化され、また別の国では虎視たんたんと復讐を狙っている。ファシズムはいまだ「新秩序」を約束するのを止めていないー
2017年の今、その死に絶えていなかったものが、あからさまに息を吹き返し、自ら敬礼の仕方を覚えることにいそしむひとを増やし始めていることが切なすぎる。
悲惨な隠蔽があり、その隠蔽を可能な限り解明する人道的作業が次にあった。しかし、時が経ち、その解明の不足部分をあげつらうことで、悲劇そのものがなかったのだと逆転して憚らなくなってゆく心性にわたしは到底与し得えずにいる。
^
ーそして何よりもファシズムはまだ死に絶えていない。ある国ではより強化され、また別の国では虎視たんたんと復讐を狙っている。ファシズムはいまだ「新秩序」を約束するのを止めていないー
2017年の今、その死に絶えていなかったものが、あからさまに息を吹き返し、自ら敬礼の仕方を覚えることにいそしむひとを増やし始めていることが切なすぎる。
悲惨な隠蔽があり、その隠蔽を可能な限り解明する人道的作業が次にあった。しかし、時が経ち、その解明の不足部分をあげつらうことで、悲劇そのものがなかったのだと逆転して憚らなくなってゆく心性にわたしは到底与し得えずにいる。
^
by kokoro-usasan
| 2017-12-08 12:24
| 本
閉じられていないもの
by kokoro-usasan
最新の記事
格子なきあれこれの果て |
at 2024-03-18 16:15 |
なげー、のだ。 |
at 2024-03-14 15:56 |
ふき |
at 2024-03-12 11:44 |
与一 |
at 2024-03-11 12:12 |
竹取物語 |
at 2024-03-04 13:15 |
意地悪はしないにかぎる |
at 2024-03-01 11:29 |
言い訳が多いのは、無いも同じと。 |
at 2024-02-26 12:40 |
遠くまで見晴らせるキッチン |
at 2024-02-24 18:40 |
フジヤ君の弟 |
at 2024-02-23 21:39 |
晩御飯 |
at 2024-02-22 18:21 |
以前の記事
2024年 03月2024年 02月
2024年 01月
more...
カテゴリ
全体日々
つぶやき
ことば
音楽
映画
本
演劇
旅
トピックス
スナップ
すてき
あやしい特派員
さまよえる消費者
すきなもの
あじわい~
気になるこの子
展覧会
庭の楽しみ
手をうごかしてみる
追想
ごあいさつ
きょうの新聞から
幕間
一枚の写真
ダンス
※
夢
未分類