せり、せり。

e0182926_10293471.jpg晴れ。スーパーで三つ葉を買おうと思っていたら、その横に根付きのセリが並んでいて、思わず買ってしまった。心変わり。七草粥の日はもう過ぎてしまったし、繊細な料理もできないので、味噌汁に入れた。いい香りがした。いつも、少しだけ汁を残すのが習慣のようになっている母も、全部飲み干した。春も近い。

昔から、よく眺めているアジア・アンティークのHPがあるのだけれど、何年か前から、気になってしかたがない民族衣裳が、そこで紹介されていて、ただただ、その手仕事と意匠に惹かれ、何度も見に行っていた。凝った手仕事のわりには、全体の雰囲気に静かな落ち着きがあり、見ていると気持ちが落ち着くのだった。落ち着くと同時に、なにか背中を押される気持ちになる。居住まいを正したくなる。そんな衣裳だった。

つい先日、また性懲りもなく見に行ったら、なんと、ヤフオクに出品したという。しかも破格値。破格値が嬉しいというより、せりに出されてしまったことがショックで、生まれてこのかた一度もやったことのないオークションに名乗りを上げざるを得なくなった。登録して、いざヤフオク画面のなかに分入ってみると、それこそ数えきれぬものがオークションに出されており、何年も何年も、ひとつの衣裳を眺めて楽しんできたわたしのような人間には、同じようなものがずらりと並んでいる様子に、「目からウロコ」状態でもあったけれど、一方なんだか虚しくもあって、お目当てのものだけ、落札すると、すぐその場から出てきた。「星の王子さま」のお話を心のどこかで思い出している。王子さまのバラの花のこと。


届いた衣裳は想像に違わぬもので、しみじみと手で撫でてみる。丹念な手仕事。着古されて綻びたところも味わい深い。オークションに出されたと知ったときは、「どうして!」と慌てたけれど、今となってみれば、どこかの神様が、眺めているだけじゃなくて、あなたが手元に置いたらどうですかと、取り計らってくれたのかもしれないと思う。感謝。




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by kokoro-usasan | 2017-02-14 11:45 | 日々


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