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扁桃腺炎と口内炎の日のつぶやき

扁桃腺炎と口内炎の日のつぶやき_e0182926_11485167.jpg一雨ごとに春の陽光が強まって。

筆不精で返信が遅れていた友人たちに「おかげさまで」と手紙をしたためて投函したら、いきなり、扁桃腺炎だの口内炎だの、プチ・バッシング(笑)にあって、凹んでしまったのだけれど、まるで電報かと思うくらいの速さで、友人からまた返事が届いた。凹んで暇しているせいか、今度はこちらの返信も早く、さっき、もう投函してしまった。世の中にはメールというものがあるのに、古い友人たちとはいまだに、郵便ポストを行ったり来たりする交友だ。絵葉書だの便箋だの封筒だの、切手だのを選ぶのがまた楽しい。あぁ、これって、小学校からの幼馴染が転校してしまって以来続いている「文具の楽しみ」というわけだなぁ。便箋の選び方ひとつで、そのときの心理状態が伺えてしまったりする。今回は、去年見に行った「月映」展で買った田中恭吉の便箋にした。「萌芽」というタイトルの版画が配されている。シンプルで好き。そのくせ、どういう風の吹き回しか、おそろしくサイケデリックな便箋を熱烈に愛しているときもある。友人たちは、いつも呆れているだろう。そして、そんなやつだと受け止めて笑ってくれているだろう。

友人は梅の里に、梅を見に行ったという。おむすびと果物を持参して、ひとりでてくてくとハイキング。健脚。健脚な知人は他にもいて、「誰も知らない場所」(居心地よく、眺めよく、静かで、ひとっこひとりいない、そういう場所」を求めて、仕事の休みになると「探索」にでかけているらしい。一度、「おそろしいほど」の偶然で、草原のなかにうずくまっている彼に遭遇したことがある。そのとき、わたしは迷い子になっていて、やっと見つけた人影に喜んで声をかけたら、まさにその知人だったのだ。あのときは驚いたなぁ。10年ぶりだったし。うずくまって彼がなにをしていたかというと、珍しい草花の種を採集していたのだった。昆虫採集かと見える様子だったけれど、掌の上に、小さな黒い種をいくつものせて、ニッと笑った。「これ、めずらしいんですよ。」花も珍しいけれど、その遭遇も珍事、わたしにとって七不思議のひとつです。笑

もうこの世にいない友人たちもいる。いるんだ。いるのだ。いるさ。不思議なことに、もういないんだよね。言葉って、この不条理をよく示してるね。だって、「もういない友人がいる」って、わたしは書いたのだもの。いる? もしもし?

きょうはなんて他愛ないおしゃべりだろう。
ところで、冒頭の絵は、沖縄の左刀大地さんというかたの作品とのこと。ネットで発見して、妙に気に入ってしまった。アンニュイというか、まだるっこしい空気感、一方で、なにかリアルなものを思い出させる。うまく言えないけど、「時間」のようなもの。「時間の流れ」ではなく、「時間」の存在のようなもの。幻なんだろうか。こんな朦朧とした春のはじめのつぶやきに寄り添ってもらった。
by kokoro-usasan | 2016-03-08 12:25 | つぶやき


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