風、ひかり。
きょうはとてもいい天気。
一輪だけどうしても茎が弱くて枯れそうになっていたポピーのつぼみを「収穫」(そんな感じ)して小さな硝子瓶に挿した。咲かないかもと心配しながら見守っていたのだけど、淡く優しい色のこの子が目覚めてくれた。よかったね。
永瀬清子の詩集「あけがたにくる人よ」を、このごろ読み返している。これを書いたとき、永瀬さんは81歳だ。この詩集の序詞にこんな一節が付されている。
水たまりに
風たてばひかりしたたり
風去ればおもむろに
うつるは にがきわがかげ
人生ってこういう感じのものだろうか。81歳の永瀬さんの詩が、まだその齢には遠いわたしの胸にも水のように染み込んでゆくのが、どういうことなのか、よくわからないけれど、この詩集を買ったのは、1989年のことだから、若かったはずのわたしが、この詩集にどんなふうに心を寄せたのか、そのほうが、むしろ不思議に思える。時空を往復しながら、残り時間の砂時計をきらきらさせることができたら嬉しいのだけど。永瀬さんの詩は、「にがきわがかげ」をなぞりながら、そのことでむしろ、わかいものたちに、ひかりの場所を教えてくれようとしているのかもしれない。
風よ、立て。
わたしの人生に、ひかりをしたたらせよ。
一輪だけどうしても茎が弱くて枯れそうになっていたポピーのつぼみを「収穫」(そんな感じ)して小さな硝子瓶に挿した。咲かないかもと心配しながら見守っていたのだけど、淡く優しい色のこの子が目覚めてくれた。よかったね。
永瀬清子の詩集「あけがたにくる人よ」を、このごろ読み返している。これを書いたとき、永瀬さんは81歳だ。この詩集の序詞にこんな一節が付されている。
水たまりに
風たてばひかりしたたり
風去ればおもむろに
うつるは にがきわがかげ
人生ってこういう感じのものだろうか。81歳の永瀬さんの詩が、まだその齢には遠いわたしの胸にも水のように染み込んでゆくのが、どういうことなのか、よくわからないけれど、この詩集を買ったのは、1989年のことだから、若かったはずのわたしが、この詩集にどんなふうに心を寄せたのか、そのほうが、むしろ不思議に思える。時空を往復しながら、残り時間の砂時計をきらきらさせることができたら嬉しいのだけど。永瀬さんの詩は、「にがきわがかげ」をなぞりながら、そのことでむしろ、わかいものたちに、ひかりの場所を教えてくれようとしているのかもしれない。
風よ、立て。
わたしの人生に、ひかりをしたたらせよ。
by kokoro-usasan
| 2015-12-04 12:12
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by kokoro-usasan
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