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おとなこそ、ほんとうはおもしろく生きられる年齢のはず?

a)
コーヒー豆が切れてしまったが、いつも買いに行く珈琲豆屋さんにゆくのが億劫で、近所のスーパーで調達してしまった。普段買ったことのない、トアルコトラジャにしてみたら、期待以上に美味しく感じられたので、リピートしてしまう。でも、「トアルコトラジャ」が、どこの豆なのか、なんにもわからずに飲んでいるわけで、わたしはつまり全然珈琲通などではないのだった。「いつも買いに行く珈琲豆屋さん」というのも、選りすぐりの、というわけではなく、単に知り合いがやっているからで(でも、ここの珈琲はおいしいよ!)、恥ずかしながら、トアルコトラジャって、なに?なんて思いながら、飲んでいた。


b)
「なに?」と思って、すぐ調べるものと、ぼんやり考えてるだけのものがあるのは不思議だけれど、先日偶然、トラジャがインドネシアのスラウェシにある地名だということがわかって、ちょっと、嬉しくなった。
おとなこそ、ほんとうはおもしろく生きられる年齢のはず?_e0182926_10591336.jpg実は、よく、拝見させていただいているサイトで、トラジャの写真が紹介されていたのだ。地名を知るよりも先に、この写真になぜかとても惹かれ、じっと見入っていた。説明を読むと、撮影地が「トラジャ」となっている。最近の写真だが、とても懐かしい気持ちがする。それは、木造の建物の醸し出す郷愁でもあるし、佇む親子の、どこか普遍的とも思える飾り気のなさのせいであるのかもしれない。わたしが、スーパーで買った「トアルコトラジャ」の珈琲豆は、とてもおしゃれなヨーロッパ風パッケージに入っているのだけれど、トラジャがこういう場所であることを知ることは、どのパッケージが素敵か、ということよりも、ずっと大事なことに思えてきたひとときだった。


c)
突然、話が変わるけれど、梅雨に入って、我が家の界隈ではハクビシンが出没している。先日も、我が家の瓦屋根の上を、たたたたたっ、たたたたたっ、と走り回っている音がするので、恐る恐る窓を開けて、顔を出してみると、ちょうど、ベランダと屋根の間を走り抜けようとしているときで、相手も、急に窓が開いてびっくりしたのか、立ち止まって、振り返った。いやいや振り返らずに逃げてよ、とこちらは思う。野生動物と対峙するというのは、なかなかどきどきするものだからだ。しかし、このハクビシン、振り返ったまま、こころもち、会釈するように小首を曲げて、じっとこちらを見つめたまま動かない。えー、どうする、どうする、襲いかかってくるなんてこともあるんだろか、と内心怯えながらも、「人間」としての矜持を持って、ひとつ提案をしてみた。「あのね、屋根の中に入っちゃだめですからね。雨のときに軒を貸すくらいはしますけど、家の中に入り込むのはやめてもらえないでしょうか。梅雨寒で、お気の毒とは思いますが、
天井裏に糞とかされると、ちょっと困るんです。」無言のハクビシン。「お気の毒ですけど」と畳み掛けるわたし。しばし、見つめあう。ハクビシン、くるっと背を向けて、屋根の上を走り去る。「お気の毒ですけどね」と、その後ろ姿にもう一度念を押すわたし。

でね。それから数日。今朝、ベランダに出たら、窓の外にちんまりとハクビシンの糞。そうね、屋根裏に入るのはやめてくれたのね。だからって、ここでするかーーーい(笑)わたしが眠っている部屋のベランダで、夜中に糞をしているハクビシンの姿を想像すると、なんだか、憎らしいというより、可笑しくなってしまう。やめて、やめて、やめてーって思うんだけど。あちらにはあちらの事情ってものがおありなんでしょうしね。はぁ〜。


d)
ところで、最近読んだ本では、清水真砂子さんの「大人になるっておもしろい?」(岩波ジュニア新書)がとても面白かったです。目次をご紹介すると、どんなふうにおもしろいかが想像できるかもしれないので、ちょっとご紹介します。子供たちのために書かれた本ですが、大人がまずこういうものを読んで、自分はどうだろうかを考えてみることが必要かもしれません。

   1 「かわいい」を疑ってみない?
   2 怒れ!怒れ!怒れ!
   3 ひとりでいるっていけないこと?
   4 自信ってなんだろう?
   5 明るすぎる渋谷の街で考えたこと
   6 ルールとモラルがぶつかったら
   7 質問するってめんどくさい?
   8 心の明け渡しをしていませんか?
   9 生意気っていけないこと?
   10 家族ってなんだろう?
   11 世界は広く、そして人はなんてゆたかなのだろう
   12 動かないているって、そんなにダメなこと?
   13 斜に構えるってかっこいい?



e)
これはちょっとおまけ。
青山の交差点そばに山陽堂という古い書店があるのは知っていたのですが、このあいだ通ったら、いつのまにか以前と全然違う印象に変身しているのに気付きました。2階3階がギャラリースペースになったのようで、螺旋階段であがってゆくとても雰囲気のある空間になっていました。しかも、青山の交差点といったら、一日中、人や車がとぎれることなく往来するにぎやかな場所でありながら、先日などは、ギャラリーのおしゃれな空間にわたしひとり。椅子に座って窓から交差点を見下ろしながら、すごくくつろいだ時間を過ごしてしまいました。ここは穴場です・・・。このブログ、読む人が少ないので、こっそりお教えします。ギャラリーのラインナップも要チェックです。
  こっそり http://sanyodo-shoten.co.jp/index.html
by kokoro-usasan | 2015-06-26 11:39 | 日々


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