光の行為
風がやんで、庭に鳥たちが戻ってきた。百日紅の若葉は、みな丸みを帯びた小さな愛らしい葉っぱたちで、重なり合った部分に陰の濃淡をつくりながら、一心に日差しを浴びている。
アオモンイトトンボが、目の前をすいっと通り過ぎてゆく。なんてきれいな水色。
ゆうべは、例によって、うたた寝してしまい、3時すぎに目を覚ますと、空が明るくなってくるまで、志村ふくみさんの「伝書」を斜め読みしていた。アオモンイトトンボのあのトルコ石のような青の美しさ。古のひとは、そうやって、自然のなかに見つけた魅力的な色を、自分も身につけたいと思ったのだろうな。
アオモンイトトンボは、なんども庭を旋回して、どこかへ行ってしまった。
眩しい空から、ふと、目を落とすと、足元にオキザリスの花。
見たり、見られたり。
ゲーテは言った。
「色は光の行為であり、受苦である」
by kokoro-usasan
| 2013-05-08 13:54
| 日々
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by kokoro-usasan
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