blind alleyの思い出
この曲は、残念ながら、歌詞がよくわからないのですけれど、写真が洒落てて面白かったので、貼り付けちゃいました。たまにはこういう音楽もいいでしょ。
無機質な音と括られがちなシンセサイザーですが、昔、takehana&golden lotusの”blind alley.plus"という曲を聴いたとき、なんだか、じいんとして、涙ぐんでしまったことがあります。全然、その手の感傷的な曲ではないんですけど、「これ、わたしみたいだなぁ」と思ったのです。ものすごい不協和音で。(笑)
音楽って本来調和をはかろうとしますから、人がそれぞれに奏でる楽器だったら、セッションする奏者たちは、なんとか不協和音から逃れようと、さりげないハーモナイズを必死でしたくなるものだと思うのですけど、blind alley plusという曲は、ありえない不協和音をぎりぎりまでぶつけて、そこからどう戻ってこれるか、そのぎりぎりのところで、ふっと記憶に蘇ってくる何か、例えば、哀しいからと、ふたをしていた感情はないですか、と問い掛けてくるような作品でした。それが、どういう哀しみだったのかを思い出せないのに、なにか、ぼんやりと、そういうことがあったような気持ち、本当は思い出したいのに、はっきり見えてこない懐かしい記憶のようなものが、ぎりぎりの不協和音の渦のなか湧き上がり、まるで、催眠術で誘導されている人のように、なんだか、涙がこぼれたものでした。取り繕っているものを、微妙にずらし続けると、そのあちこちにできた隙間から、収拾のつかないまま取りこぼしていったものが、生々しく痛々しく立ち上ってくるような。アタマを抱えてしまうような。でも、だからこそ、瑕疵のない立派な挙措よりも、儚く優しい真実でもあったかのような。そこを掬いとりながら生きていけるなら、人間に袋小路なんてないのじゃないかって、歳をとったわたしは思います。なにやら、急に思いついたとりとめもないつぶやきで・・・。失礼をば。ではでは、おやすみなさいまし。
by kokoro-usasan
| 2013-02-21 02:00
| つぶやき
|
Comments(2)
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めざ
at 2013-02-21 12:56
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「こういう音楽」、実は好きです。頭の後ろ側をすり抜けていくような感じで、BGMにするのが好き。だから、歌詞は分からないほうがよくて、意味が分かるフレーズがあると本を読んだりできなくなっちゃうから。
「音階」というものも不思議ですよね。音階があるから協和、不協和というものがあり得るのでしょうし、譜面も成立する。譜面がないと楽曲として残すのも大変。テルミンのような音階のない音を聴いていると居心地が悪いように感じるのは、音階というものに頼りたいからなのでしょうか。
って、書きたかったのは、村上春樹が大音量のライブハウスで眠ってしまって、目覚めたときにこれまでになくさわやかだったという話で、音楽の「人の意識に働きかけるもの」は何だろう・・・ということなのでした。
「音階」というものも不思議ですよね。音階があるから協和、不協和というものがあり得るのでしょうし、譜面も成立する。譜面がないと楽曲として残すのも大変。テルミンのような音階のない音を聴いていると居心地が悪いように感じるのは、音階というものに頼りたいからなのでしょうか。
って、書きたかったのは、村上春樹が大音量のライブハウスで眠ってしまって、目覚めたときにこれまでになくさわやかだったという話で、音楽の「人の意識に働きかけるもの」は何だろう・・・ということなのでした。
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kokoro-usasan at 2013-02-22 10:26
眠るとき、案外ヘヴィメタ系の音をガンガンヘッドフォンでかけてると、あっという間に寝ちゃったりしませんか。音量そのものと睡眠はあまり関係ないのかも。子どものころ、プールから帰ってきて、タオルケット一枚かけて昼寝して、ふぅっと目が醒めたときの、家の物音、たとえば、時計の音だったり、お皿を洗ってる音だったり、あるいはお客さんがみえていて遠くでしゃべっている声だったり、あぁ、そうそう蝉の声だったり、あの、ものすごく懐かしくて、おなじくらい淋しいような、心が甘えたい気持ちでいっぱいに満ちてくるような、不思議な思い出、あれらも、譜面にならない音楽の一種だったでしょうか。
閉じられていないもの
by kokoro-usasan
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