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まさにつぶやきだけの迷走なれど。

陽射しが明るいせいか、空気の冷たさが、かえって気持ちよく感じる。春が近づいているんだ。山も紫色にもやがかかってみえる。ブロッコリーも、紫がかっているもののほうが美味しいんだってさ。関係ないけど。

朝イチ、仕事では禁止されているジーンズで歯医者さんにでかける。午後からは着替えて出勤。帰りは22時半。歯医者さんのあと、まだ10時をすこし回ったばかりだったので、駅前の書店で本を物色。買ってしまう。買ってしまった。つい、いろいろ。その中に、山下裕二さんの「日本美術の20世紀」というのがあって、雪舟の絵とか眺めていたら、めざさんたちが、もう10年も前に出した、あの、雪舟の青い本のことを思い出したよ。書店の本棚で、山下さんと張り合っちゃってさ。笑。「遊びをせんとや、生まれけむ」って思えるエポックのような時期が誰にでもあると思うのだけど、あのときもそういう時間だったんだろうなー。楽しかったねー。でも、あれで、おわりじゃないよね、めざさん。と、心のなかでひとりごと。

そのころ、綴ってたわたしのブログは、もうあとかたもなく残っていないけれど、まだ音楽とつるんでいたころのわたしの文章は、五線譜の上に乗っているから、ときどき調律するくらいで、いい感じにハモるんだけど、法律事務所に入って、裁判所だの、検察だのを、行ったり来たりしはじめると、調律不能の事態。しかも、この顛末はなかなか厳しいものがあって、ここで、わたしは、ニーチェいうところの、奴隷道徳のようなものに、からめとられてゆくわけだ。物言いは善人度を増しているんだけど、そこが落とし穴ってところかな。

だけど、今朝、ちょっと、思い出して、こっちはまだ、ネットの海に浮いている(ロックされてるけど)、2006、7年ごろの古いブログを覗きにいったら、それでも、今よりは、まだ、毅然としてるから、なんだか、かわいくなった。自分がね。あれから、ますます、内なる奴隷道徳に従順になってしまったらしいや。

なんだか、今、いいひとたちに囲まれてて、すごく親切にしてもらって、へえ、こんなにみんな気持ちの行き届いた暮しをしてるんだって、50も近くなってから知ったんだよね。だから、そこに、うまぁく、まぎれこんで、ゆるぅく、あったまってる感じなんだけど、あっためると子種ができなくなっちゃうっていうのは、別の話か、でもまぁ、そんな感じかも。

このあいだ観た「最初の人間」はカミュの自伝的遺作の映画化だけど、ジャック少年、あの子も、ほんと、よく、じーーーーっと凝視するんだよね。あれ、すごく、身につまされるんだなぁ。それはね、奴隷道徳じゃないもので、あたまがぐるぐるまわっているからなんじゃないかな。網膜から入ってくるものを、道徳じゃないもので、回収してるんだよね。でも、それって、引出しのある話じゃないから、もう、どこにしまったらいいのかわからないの。だから、じーーーーーーっと見てるしかない。ああいうところから出て来た言葉だから、「異邦人」になっちゃうだろうなってわかるよね。

そうそう、きのう、川崎洋さんが編集した、子どもの詩の一編に、あんまり一生懸命遊んだので、自分の名前がわからなくなっちゃった、みたいな言葉があったの。それって、すごいなーーー。ほんとだよねーーー、子どもよ、そのくらい、遊ばないかんぞーーーって、笑い出したくなっちゃった。

わたしも、遊ぶよ、いつか。自分の名前も思い出せなくなるくらいに。

最高じゃん。
by kokoro-usasan | 2013-01-24 13:45 | つぶやき | Comments(2)
Commented by 呼ばれた「めざ」 at 2013-01-24 14:08 x
そんなこともあったよねぇ。
ちょうど、私の第二次うつが終わりかけのころに、ネットで知り合った人たちとリアルで会い始めて、最初に「松永耳庵の茶コレクション」を見に行って、その感想を掲示板で書きあったのがきっかけで、その勢いで雪舟展を見ちゃったものだから・・・。
私の中に、思春期ごろから「家」についてのコンプレックスがあって(家屋ではなく、家制度のほうね)、いつかそれをきちんと整理して描いてみようという野望というか妄想があるのだけれど、温めているうちに子種が・・・まだ無くなってないと思うけれど、もうちょっと温めて発芽するかどうか様子を見ようと思ってます。

学生時代、うちのばーちゃんが「遊ぶのはいつでもできる。できるときに勉強しなさい」と言ってた。まあ、それもありかなと思ってたけど、思いっきり遊ぶのって大人になると難しいね。気合いがいるような気がする。
Commented by kokoro-usasan at 2013-01-24 22:52
呼んじゃった?ふふ。きょうは、ちょっと、くだけてみましたでござる。
わたしは、「ザオ・ウーキー」の展覧会にくろさんから誘っていただいて、あれ、ちょっと沁みたナァ。年代順になってて、死んでしまいそうなくらい精魂込めるっていうのは、若い頃しかできないのかもなぁって思えました。実際死んでしまいそうな歳になってくると、死んでしまいそうなことはしなくなる。笑。もっと、楽にゆきましょうよって、絵が段々明るくなっていってたもん、ザオ・ウーキー。それはそれでいいんだけど、なんだか、すごく、その時間の流れに圧倒されながら観たなぁ。くたくたになったけど、楽しかったー。めざさんがあたためてるもの、きっと発芽させましょうよー!楽しみにしてるぞよ。ふぁいと。いえい!


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