口
愚かしいほどに、
言葉で綴られた嘘は、そのままに受け入れてしまう。
嘘かどうかを考えてみないのは、嘘を言うひとを信じていたいからだ。
それでも、文章とは関係ないところで、なにか、腑に落ちないと感じる瞬間があるもので、
それは、否、とかぶりを振ってみても消えない、哀しい痛み。
なにか、わかりきった大きな裏切りなどは、さしたることではないのであり、
日々のかすかな折々に、あるかなきかのささやかさで重ねられる軽い裏切りの
むしろその容赦ない気楽さが、
人の膝を崩れ落とさせるほどの失望におとしいれることさえあることを
あなたはどう思うか。
相手の口を封じながら、その相手の幸せを祈るということは可能か。
そういう口の封じられ方をした人間は、その手をどけられても、もうなにも語らなくなる。
幸せを祈ってくれてありがたい人だった、などと神妙な顔で言ったりする。
そうやって黙らされているひとが世の中にはきっとたくさんいるのだと
胸の奥に沈みこんで見えなくなってゆく自分の口を見ながら、わたしは思った。
言葉で綴られた嘘は、そのままに受け入れてしまう。
嘘かどうかを考えてみないのは、嘘を言うひとを信じていたいからだ。
それでも、文章とは関係ないところで、なにか、腑に落ちないと感じる瞬間があるもので、
それは、否、とかぶりを振ってみても消えない、哀しい痛み。
なにか、わかりきった大きな裏切りなどは、さしたることではないのであり、
日々のかすかな折々に、あるかなきかのささやかさで重ねられる軽い裏切りの
むしろその容赦ない気楽さが、
人の膝を崩れ落とさせるほどの失望におとしいれることさえあることを
あなたはどう思うか。
相手の口を封じながら、その相手の幸せを祈るということは可能か。
そういう口の封じられ方をした人間は、その手をどけられても、もうなにも語らなくなる。
幸せを祈ってくれてありがたい人だった、などと神妙な顔で言ったりする。
そうやって黙らされているひとが世の中にはきっとたくさんいるのだと
胸の奥に沈みこんで見えなくなってゆく自分の口を見ながら、わたしは思った。
by kokoro-usasan
| 2012-06-14 13:50
| 日々
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