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劇場と夢たんぽ

劇場と夢たんぽ_e0182926_11453151.jpg1月15日
「むかしは明日が成人の日だったのよね」とゆうべ、同僚のHちゃんがつぶやいた。Hちゃんの息子と娘は今年成人式だったのである。ふたりの子供が同時に成人式なのは、所謂双子だからである。娘さんのほうは晴れ着を一年前から準備して、家族あげての一大イベントのような感じだったが、息子さんのほうには、一週間前に、ネクタイを買ってやっただけだったと、我ながら後ろめたそうな顔で笑っていた。そりゃ、差別だ。笑。
Hちゃんの双子話はいつも面白く、男女の双子であるだけに、これが夫婦だったら、こんなにいい組み合わせはないだろうというくらい、以心伝心の思いやりで繋がっている。それでも、大人への門出を迎え、ふたりそれぞれに好きな人もでき、恋の行方に一喜一憂。親には話さないことでも、双子の間では、かなりの情報共有がなされているらしく、Hちゃんは、教えろ、教えろと、双子それぞれにさぐりをいれては楽しんだり、心配したりしている。仕事の合間に、そうした話を聞かされながら、「あー、それはマズイ」だの、「そりゃ、よかったねー」だの、流し流し返事をするものの、登場人物が多すぎて、実はなにがなんだか、なのである。「え、それ、誰だっけ。前にも出てきた?」とまぁ、うろ覚えなりしシェークスピア劇の様相を呈す。

やはり同僚のKちゃんから年末にいただいたピンク色の小さな湯たんぽを、夜、母に持たせて就寝させるようになった。20センチ弱の可愛らしいものだ。さて冒頭の写真で、蝋梅のむこうに写っている丸い真鍮の入れ物がなんだか判るだろうか。両の掌のなかにちょうど納まる感じの滑らかな形。これは、実は中国の「湯たんぽ」なのだ。とても好い形なのだが、急須にしては注ぎ口がないと思い、骨董屋で眺め回していたら、「それは、古い古い中国の湯たんぽです」と店の主人が笑った。「身分の高い家柄の婦人が、寒い夜、そっと寝床に入れたものなので、実用的なだけでない、美しい意匠が凝らされているでしょう」かつての職場のすぐ近くにあったこの店の主人は、説明がうまく、買うときに、いつも夢を見させてくれた。夢はさめない。湯はさめても。笑。
by kokoro-usasan | 2012-01-15 12:33 | 日々 | Comments(0)


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