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雪のない冬のここで。

そういえば、東京は今年まだ雪が降っていない。八王子では明け方に一度、粉雪の舞い散った日があったけれど、つかのま、淡く消えてしまった。

今、この日記のタイトルバッグを何の気まぐれか、ラーメンの絵にしてしまったものだから、どうも、このところ、ずっとラーメンが煮たくて、うずうずしていたのだけれど、冷蔵庫の残り物と相談して、先に食べなければいけないものを優先したメニューにしているうちに遅れてしまった。今日、夕食にやっと、作って食べた。そろそろしなびそうになっていたキャベツを大量に投入したため、麺とキャベツが半分半分
みたいな具沢山味噌ラーメンになった。

自分で作って自分で食べるというのは、実に気楽でいいのだけれど、がっついて食べたあとの放心状態というか、あっけなく食べ終わってしまったあとの虚しさが若干哀しいよね。まぁ、いいさー。

先日読んでいた本の著者、竹信さんの亡くなった旦那さんは、「夜中まで必死に仕事をしている奥さん」に、寒くないかと、どてらをかけて、鍋焼きうどんを作ってあげるような関係性を、学生時代既に夢みていたと知り、うわぁ、それは奇特な男性だと思ったものだ。わたしはまだ、男性が作ってくれた鍋焼きうどんもラーメンも食べたことがないな。(あ、お店では食べてますね。笑。)

むかし、年下の可愛いボーイフレンドが、クリスマス会をやるから、ごちそう食べにきてくださいと、家に呼んでくれたことがある。といっても、アパートには、彼の母親と妹が一緒に暮らしていて、片親の家だった。母親はまだ仕事から戻っていなかった。「きょうは、ニイチャンが、スパゲッティを作ってくれるんだって」と、ちょっとおませな妹が、ほんとに作れるのかねという顔で、わたしにウインクした。

そのあと、爆笑の事件が起きたのだ。「ニイチャン」は、台所で、パスタの山に埋もれそうになっていた。(ちょっとオーバーだけど)なんとなれば、このニイチャン、500gのパスタの袋を3袋も茹でていたのだ。「一人1袋」だと思っていたらしい。いつも、即席ラーメンばかり食べているから、そういう考えになる。笑。

妹もわたしもそれを見て、「誰がこんなに食べるの」と言って、大笑いした。「ニイチャンさ、途中でヘンだなって気づけよー」と妹はからかう。その日、わたしたちは、もう動けないくらいパスタを食べて、クリスマスを祝ったけれど、それでも、台所には、あと3人分くらいは残っていて、彼らの母親が深夜に戻ったら、温め直して出してあげようということになった。

わたしの淋しい人生に、あのクリスマスのあったことは、やはり特筆すべきことだったろうと思う。
あの「ニイチャン」だったら、きっと、夜中に仕事をするわたしに、風邪をひくよと、どてらをかけてくれたことだろうと、優しい気持ちで、思ってみたりする。





by kokoro-usasan | 2011-01-12 21:52 | 日々 | Comments(0)


閉じられていないもの


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