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ふたりで。

桃の節句。
とはいえ、少し疲れ気味で、今日は職場で妙に背中と足元が冷えた。寒の戻りは
なんとなく、気持ちも萎えてしまいがちだ。帰宅したら、普段は私が帰宅しても玄関には
出てこない母が、待っていたように出迎えた。鼻の下に怪我をして血を滲ませている。
痛々しい。

久し振りにひとりで駅前のストアに買物に行ったのはいいが、道の段差で転んでしまった
のだという。どういう転び方をしたのか、鼻や口のあたりを中心に強く打ち付けたようだ。
母は今年77歳になる。老け込むにはまだ早いのだけれど、色々な事情が重なって
このところ、とても弱気になってしまっている。だから、折角気分を変えて、外出したのに
そこで、こんなことになると、本当に自分が情けなくなってしまうのだろう。目に涙をためて
「おかあさん、転んじゃった」と、私に、力なくつぶやくと、自分の部屋に戻り、ベッドにもぐり
込んでしまった。

ひな祭りだから、二人で楽しく夕飯にしようとも考えていたが、こういうときは、そっとして
おいたほうがいい人なので、すぐには、夕飯にせずに、自分も、少し横になることにした。
疲れていたせいか、すぐうたた寝してしまう。起きると、帰宅したときよりも、血色がよく
なっていた。やはり、眠るって大事なことだ。

居間に飾ってあるお雛様の前に座り、職場のかたからいただいた大きな文旦を御供えした。
雛飾りに、文旦の御供えは、ちょっと、文旦の存在感がありすぎて、ミスマッチだけれど、
あまり、こだわらないでいくのが自流。お雛様に、「母と私の暮らしをお守りください」と
お願いしてみたけれど、お雛様にするお願い事じゃないのかな。まぁ、いいや、それも
この際こだわらないでいこうと思う。

「おかあさん、夕飯にしよ。」と言いにゆくと、布団の中で、母がコクンと頷く。
少し、気を取り直した母と、夕飯をとる。口数少ない母娘。
母は段々、子どもに戻ってゆくようだ。
by kokoro-usasan | 2010-03-03 21:26 | 日々 | Comments(0)


閉じられていないもの


by kokoro-usasan

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